プログラミング言語「Python」の人気の高さについて

Pythonは世界的に人気のあるプログラミング言語で、様々な用途に使用されていますが、特に活用されているのはweb開発とデータ分析の分野です。そして近年、Pythonの人気は日本でも急速に高まっています。たとえば、大きな書店に行くと、Pythonについての学習本や解説書を数多く目にすることができます。ほんの10年前には、どの書店にもPythonの関連書籍がほとんど置かれていなかったことを思えば、日本でのPython人気がよくわかる現象です。

2019年1月、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、基本情報技術者試験の2020年の春期試験から試験内容を変更すると発表しました。その変更とは、出題項目としてPythonを追加するというもので、多くの人を驚かせました。それまで出題項目に含まれていたCOBOLを廃止し、代わりにPythonを入れるということで、大きな注目を集めたのです。この試験には1970年以来の長い歴史があります。試験の内容や形式は、情報技術分野の変更やイノベーションに合わせて、年ごとに改定が行われてきました。これまで何十年もの間、COBOLは銀行などのシステムで利用され、長年に渡りそのままだったのが、試験から外すと発表され、Pythonが追加されたことに、誰もが驚いたのです。

Rubyは日本人プログラマーが開発したプログラミング言語で、こちらもとても人気があります。RubyPythonコンパイル不要の軽量プログラミング言語であることから、どちらかが試験に追加されることは考えられることでした。さらに、Pythonの追加以外にも、大きな変更がありました。それは情報処理分野における理数能力を重視する出題となったことです。この変更の理由はどこにあるのでしょうか。それは、ビジネス活動がビッグデータを収集し活用する方向に向かっているという現実があるためです。

Pythonビッグデータ処理やその活用に非常に適した言語です。データサイエンスは学術研究においても重要分野です。たとえば、重力波の発見にPythonが関わっていたことで、企業や大学、人々がこぞってPython活用に向かい出したのは驚くべきことではありません。また、IT企業など、関連する民間企業は間接的にオープンソースであるPythonの活動を支えてきました。そして、Pythonによるデータサイエンスの活用もサポートしつつあります。